ケビンの一言いわせて! ③

 デトロイト生まれの私にとって、自動車の過剰使用は驚くべきことではありません。しかし、山ノ内町での隣人たちの車使用レベルは、自動車産業の本場であるデトロイト出身者でさえ驚くほどです。

 例えば、私は町内の短距離移動には徒歩や電動自転車を利用しますが、駅までわずか15分の道のりを歩いていると、車で通りかかる友人たちから驚きの声をかけられることがよくあります。また、車での送迎を申し出られることも少なくありません。

 家からほんのわずかな距離を自動車で移動するために駐車場を借りる町民もいますし、コンビニまでの10分の道のりを歩くことがヘラクレスのような困難な挑戦と感じる人もいます。

 最近、私は中野まで電動自転車で行って帰ってきましたが、友人たちは私の体力や自転車技術に驚嘆しました。実際には電動自転車なのでそれほど難しくはありませんでした。

 東京に住んでいたころは、これが珍しいことではありませんでした。例えば、20分位は駅から歩くのは関東では常識でした。電動アシスト自転車なら山ノ内的に滅茶苦すごい距離を乗る関東人は数多いでしょう。

 確かに、山ノ内の厳しい冬は自転車に乗るには難しいかもしれません。ただし、私の地元ミシガン州の州立大学では、山ノ内より厳しい冬中でも自転車の乗り方を教える授業があります。その知識がここでも役立つと思います。

 そこで提案です。「もしも私たちがもっと歩いたら、すべてがもっと良くなるのでは?」という公共広告キャンペーンを始めてはどうでしょうか。自動車に頼ることなく、地元の美しい景色を楽しみながら健康も促進する。私たちの町にとって、歩くことが新たな文化になるかもしれません。