たかやしろ・見晴らし街道に彩り
中野市の田上から深沢へと続くたかやしろ・見晴らし街道の一画に植えられたスイセンが4月中旬から5月初旬頃に黄色く染まり、通行人にやすらぎを与えていた。スイセンを植えたのは傳田民生さん。花が好きで、現在は金井地区で農業を営みながら庭などにも花を植えている。伝田さんは「花を見てニコニコしない人はいない」と笑みをこぼす。
傳田さんは30歳のころ、JA中野市の職員をしながら同街道沿いの一画を「百姓をするにはこの場所がいい」と、所有者の田上の住民から買いはじめた。年々土地を購入して約80㌃まで農地を広げて柿を栽培した。
約10年前、農業をするのには不向きな斜面を生かして「田上の人に恩返しをしたい」と草に負けず、他の草が生える前に花が咲くスイセンを植えようと決めた。毎年1㌃から2㌃ずつ植え続け、現在は2種類のスイセンが20㌃まで埋まるほどとなった。昨年から高齢のためにスイセンを植えることをやめてしまったが、「毎年(スイセンの)株が大きくなり、見栄えも良くなってきている」と喜ぶ。スイセンの見頃には車を止めて眺める人もいるという。
今後は、同街道に植えた過密状態のスイセンを抜いて、越橋と高社大橋の間にある金井地区側の夜間瀬川中央河川公園に植えようと市に打診をしている。「河川公園にスイセンを植えれば親子連れや多くの人が訪れてくれる」と語り、花を生かして住民の憩いの場をつくりたいと検討している。